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徒然な視点

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by yoshiaki sato

翼の折れた天使たち

 夜明け前に台本の1稿があがったので、小鹿を呑みながら、録画してあったフジTVの4夜連続
オムニバスドラマ「翼の折れた天使たち」を見た。

昨年の4話が妙に記憶に残っていたので、今回も楽しみにしていた。
よく言えばライトでストレート、悪く言えば薄っぺらで安直なストーリーで、援助交際、挫折、自殺、
といった重い題材を、わかりやすく仕上げたドラマだ。
携帯小説の先駆者であるという原作者、YOSHIは、あちこちで、オヤジ達からはさんざんな酷評
を受け、ティーンエイジャーからは賛同と絶賛の声が上がった、なかなか新しくて面白い作家だと
思う。
必要としている対象にとって「わかりやすい」ということがヒットの大きな要因になっている。
女子中高生にとってもわかりやすいからスーッと感情移入ができる。
「人はなんのために生きるのか」とか、「自分が大切にすべきものはなんなのか」とか、「完璧な
人間なんていない」とか、「人はいつでもやり直せる」とか、当り前のことを言っているだけなんだ
けど、見事に今風のフィルターをかけていると言ったところだろうか。

要するにそういう当り前のことを実感していないティーンエイジャーが多い、というこだ。
でも、これは今の若者がどうのこうのということではない。
昔の若者だって、小説やフォークソング、ロックというカルチャーの中にそういうものを見出して
感動し、賛同し、声をあげていたわけで、その時代によって様々な事象として現れている。
YOSHIが今までと違うのは、携帯電話というツールが媒体となってブームが始まったことと、
フォークやロックのように同年代からではなくて「大人」が作ったストーリーに若者が乗っている
こと(だからYOSHIはプロフィールを明らかにしていない)が大きなポイントだ。
まさにインターネット時代のムーブメントのひとつだと言える。
本名や年齢、過去といったデータは必要としていないのだ。
ハンドルネームだけでOKということだ。
携帯小説を例にとると、そのテキストデータ以外に余計な情報がないわけで、考えようによっては、
その文章で一本勝負みたいなところがあり、これはこれで面白いものだと思う。
携帯電話だからサラッと読めなくてはいけない。難解な人物設定の解釈や謎解きなどやっている
暇はないのだ。
だから必然的にライトでストレートなストーリーになる。

今回の4本の中では、やはり、なんといっても第一夜の石原さとみが、ずば抜けて良かった。
キュートな唇も印象的だが、喜怒哀楽、それぞれに素晴らしい表情を持っていて、見ているもの
をひきつける。
昨年の、上戸彩、堀北真希、山田優、上野樹里という顔ぶれと比較すると、さすがに石原さとみ
以外の3人は存在感がいまいちではないかと感じていたが、香里奈は二重丸急上昇だ。
間違いなく近い将来、連ドラの主役を手中に納めることと思う。

いただき物の小鹿は、「亥歳記念バージョン」。
自分の干支だ。
それにしてもいい焼酎だ。ほんのり甘くて、サツマイモの香りが残っているのに、軽くてさらっと
している。
ついつい呑みすぎてしまいますよ。
小鹿酒造さん。



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by grid303 | 2007-03-04 16:00 | Drama