人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

徒然な視点

https://grid303.amebaownd.com/


by yoshiaki sato

トラ・トラ・トラ!

 BSでOAされた「トラ・トラ・トラ!」を観た。
この映画は小学生だった1970年当時、映画館にも観に行ったし、その後もテレビで何回か見ているのに
今まで何を観ていたのだろうかと思うほど新鮮な感じがあった。

CGに慣れた目で見ると実機を使用したシーンの迫力に驚く。
テキサンというアメリカの古い練習機を改造して零式艦戦や九九式艦爆を作ったとのことで、
飛行機マニアの中には、そのフォルムや部品に対して一言言いたい人も多かったようだが、
空母から発艦するシーンや超低空で編隊飛行をするシーンはぞくぞくするほどのリアリティがある。
実写フィルムではこんなに画質が良い映像はないし、戦争映画でもここまで実機を飛ばしたものは
他にはないと思うので、貴重な映像といわれるのもよくわかる。
中でも朝焼けの中を旗艦「赤城」から次々と機体が発艦するシーンは素晴らしい。

制作予算は当時の40億円くらいらしい。
40年近く前の40億円がどういう価値なのかよくわからないけれど、飛行機や船舶が登場するシーンの
リアリティを考えるととても安いように思える。
黒沢明さんが倍の予算がないとできないと言って日本側の監督を降板した話は以前から知っていたが、
予算的なことよりもストーリーや台詞に関してアメリカ側と調整がつかない部分が多かったのでは
ないだろうか。
どうも山本五十六は三船敏郎さんのイメージが強くて、山村聡さんが合わないというわけでは
ないのだが、存在が地味に感じてしまった。本人を知っているわけではないからどちらにリアリティが
あるのかはわからないけど、黒沢監督はそっくりさんを準備していたというから黒沢監督が描く
山本五十六も見てみたかった気がする。
南雲中将との対立なども一味違った人間ドラマを演出していたんじゃないだろうか。

日本公開バージョンは155分、アメリカ公開バージョンは145分と編集に違いがあるらしい。
そういえば、渥美清さんがコックかなんかの役で出演していたはずなのだが、今回見たものは
カットされていたようだ。残念。

日本側のシーンになった時には、ハリウッドの王道ともいえる、琴の音色や黒田節のようなへんてこな
音楽を聞くことができる。(笑

トラ・トラ・トラ!_b0024261_17443330.jpg

by grid303 | 2006-08-26 17:44 | Drama