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徒然な視点

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by yoshiaki sato

天虎

芝大門の図書館へ行った帰り道、天虎で「一三五チャーシュー4枚のせ」を食べた。
ここでラーメンを食べるのは2年ぶりくらいだろうか・・・。
前を通って入ろうかと店先を覗き、客が並んでいてあきらめたことが2~3回あった。

食べ終わってお勘定をすると、おかみさんが25周年記念のサービス券をくれて、「お近くにいらしたときは、またお寄りください」と言ってくれた。
1年に1回も寄らない自分をおぼえていてくれたことがうれしくなり、笑顔で「ありがとう」と感謝!

天虎が武蔵小山で店をはじめたのが25年前ということなのだろう。
おそらく札幌ラーメンの天鵬で修業されたであろう寡黙な店主がつくるラーメンは、シャキッと醤油が効いた味の濃いスープと、その色から西山製麺とすぐにわかる中太麺が抜群の美味さで、ちょこちょこと通っていた。
なんだか作る方と食べる方とでいつも真剣勝負のような空気があり、一度も店主と言葉を交わしたことはなかったが、スープの最後の1滴まで残したことがないくらい、夢中で食べてしまうラーメンだった。

主人ひとりではじめた店に、ある日奥さんらしき女性が加わり、(ああ、結婚したんだな・・・)と思った。
ラーメンの名前以外は、相変わらず一言も言葉を発しない店主がひたすら作り、いつも和装の上品な奥方がきりもりする店内には、ラーメン店というよりも粋な小料理屋に近い空気感があって、ガツンと濃い味のラーメンに満足した客を幸せな気分にして帰すのだ。
これは流行る。
じょじょに流行り出した店は客が並ぶようになったのに、いつだったかある日閉店していて残念な気持ちになったものだった。

しばらくして芝で店を開いたことを知り、うれしくなって食べに行った。
それから、客の列がなくなりそうな2時前あたりに寄れるときには覗いてみるのだが、その時間でも待ち客がいて、あきらめることが多い。
自慢亭なき今、自分の中では迷うことなく第1位にあげられるラーメンだ。
「一三五」は、とにかく味が濃いので毎日食べられるものではないけど、そもそもラーメンをたまにしか食べなくなった今は、年に数回、無性に食べたくなる。

客が並んでいては入れないのは残念だけど、行列のできる店になったことが自分のことのようにうれしいというのも、変な気分だ。
幸せな気分でバイクに乗った帰り道、きっと、ここのラーメンのファン、というよりもこの店のファンは、そう感じている人が多いのだろうな、と思った。
天虎_b0024261_09241708.jpg
一三五チャーシュー4枚のせ / 950円
ラーメンにライスという食べ方はしないのだが、ここだけは例外。
チャーシューとメンマとスープで、小盛りの白飯がちょうど美味しく食べられる量なのだ。
だから、スープを残したことがない。





by grid303 | 2018-10-17 10:49 | Foods