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徒然な視点

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by yoshiaki sato

甲子園の若き血

 先月の23日に、演出構成に携わって3回目の「慶應義塾大学園遊会」が行われた。
卒業式当日に卒業生の準備委員会が主催する約3000人規模のパーティーだ。
制作チームとしては3回目というアドバンテージが大きく、1回目、2回めよりは、より踏込んだ
演出ができたのではないかと思っている。

 数十人に及ぶ制作スタッフとのディレクション作業は多大なエネルギーを消費することが、
終ってみるとわかる。イベントやコンサートのスケジュールが連日続いていると、反省する暇も
なく毎日がゼロから始められるのだが、今回のようにひと段落してしまうと人間関係や段取り
のしかたを反省してしまうから非常に疲れる。
変な言い方かもしれないが、反省してもしょうがないのだ。終った時点で自分の中での問題点
はもうはっきりしているから、それを引きずって気持ちを上下してみても時間の無駄で、そんな
時間があれば妄想でもしているほうがよっぽど次の演出につながる。
しかし、根がまじめだから(笑)反省をしてしまう。修行が足りない。
阿佐田哲也さんは「勝負は反省したら負けだ」と書いていたが、たしかにポジションとフォームが
決まっていれば反省など必要ない。あれこれ考えてフォームを崩してしまうことのほうが危険
なのだ。
自分は投手で、自分にとってのベストな投球フォームが形になっていれば、そのフォームを
崩さずに投げ続けることが大事なのだ。ポジションの変更やフォームの改良といったことは
別の次元の話で、しっかりとした目的を持ってゆっくり時間をかけて行うことだろう。

 自分の中の話はいいとして、チームの皆さん、出演者の皆さん、ありがとうございました。
ものを作る、カタチにするということは、誰と組むか、誰が作った何を組み入れるかというという
ところに醍醐味があるわけで、人間と人間のつながりが原点にあると思っている。
20年間付き合っている人間もいれば、3年目の人間もいる。今回初めておつき合いさせて
いただいた方もいる。みんな大事にしたいんです。出会えて良かったと思えるから。
多勢でひとつのことをするところに生まれる感動はなにものにも変えがたい。
その感動を来場者に伝えることが自分にとってのエンターテイメントだと思っている。

 自分の年齢と同じ45年ぶりに春の選抜大会に出場した慶應義塾高校は、準々決勝で敗れて
しまったが、応援が素晴らしかった。
試合中、途切れることのなかった歌声、声援はもちろんだが、幼稚舎の制服を来た子供から、
「若き血」を大声で歌いたいためにスタンドに駆けつけた年配の方々まで、まさに老若男女が
ひとつになっている応援団は、これまで見てきたどの甲子園よりも一体感を感じた。
TVでは見えなかったが、應援指導部のリーダーたちの熱い表情が脳裏にうかんだ。
 卒業生でもないのに、慶應義塾の応援歌をほぼ知っている自分も変なもんだと思ったが、
高校の日吉祭は6年間、大学の園遊会は3年間参加させていただいたことを考えると、妙な
縁を感じてしまう。偶然日吉に住んでいてグラウンドの脇を毎日通っていることもなにかの
縁かもしれないし。
 だから、卒業生ではないが、慶應義塾応援団のひとりです。

 また、今年も後夜祭実行委員からの電話はあるのだろうか・・・。
年に1回、高校生や大学生とセッションするのは、エネルギーを使うがとても楽しい。
by grid303 | 2005-04-04 21:29 | Sports