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徒然な視点

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by yoshiaki sato
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オートバイの話(その3)

下にある(その2)を先に読んでね。

 マイティボーイはアルトの後ろ半分をぶったぎって荷台にしたような、なんちゃってピックアップだ。
へんてこなクルマだったけど、雨に濡れないし運転しながら物も食べられるし、楽しい4輪ライフを送っていた。
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1年もした頃だろうか、生活が困窮し、クルマを売るか家賃を払うかという判断に迫られ、クルマをとった。(笑
クルマでの風来坊生活も面白そうに思えたが、軽の2シーターなので車内で寝ることはできない。
3か月程、友人の家に転がり込んだり、楽器の倉庫になっていたボロアパートで楽器ケースの間に寝ているうちにやはり住むところは必要だという結論に達し、マイティボーイを売って雪谷の小さなアパートを借りた。
でも、少しすると足が欲しくなる。
どうやって買ったのかよく覚えていないけど、とにかくまたオートバイを買ったのだった。
もう、これしかない。次に乗るのはこれ、と心に決めていたRG400ガンマだ。
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中古車だったが、とても程度のよい「ウォルターウルフモデル」だった。

250ガンマに乗った時のショックはとても大きかったが、400ガンマは次元の違う面白さがあった。
スクエアフォーと言われた、ツインがタンデムになったような2ストローク4気筒エンジンは、馬力こそ規制で59馬力に抑えられていたが、4ストロークの750ccと同じかそれを上回るトルクがあり、低回転からとても使いやすいエンジンだった。
しかも、5000回転を越えると2ストロークエンジン特有のカッキ―ンという加速も持ち合わせている。
スガヤのチャンバーに交換するだけで100馬力近くまでパワーアップするなんて言われていた。

これはまたとんでもなく面白いバイクだった。
プラグの焼け具合を見るのにいちいちタンクを外さなければいけないのだが、このタンクがまた簡単に外せるようになっており、よく第三京浜のバス停でタンクを外してプラグを確認したりした。
綺麗に焼けているプラグをまた装着し、タンクを付け、キックペダルを踏み込むと、4気筒エンジンはボボボボっと低めな音でアイドリングする。
シートにまたがり、1万回転まで回してクラッチをつなぐ。
大きめなフルカウルに体をすっぽり隠し、思いっきりタンクに伏せた状態でフロントタイヤが浮く。
2速、3速とシフトアップする度にフロントが浮き上がる。
4速に入れると、もう120kmオーバー。
150kmからさらにグーンと加速していく感覚は750ccクラスと同等だ。
6速に入れると、180kmまでしかないスピードメーターは振り切ったまま加速を続ける。
200kmの速度でもカウリングの空力が効いて安定している。
当時、仕事場がウォーターフロントにあり、往復の海底トンネルはいつもフルスロットルで走り抜けていた。
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そんなある日、いつものように深夜の第三京浜でカウリングに伏せていると、後ろから怒鳴る人がいる。
「前のバイク、止まれ!おーい!止まれ!」
「止まりなさい」とか「停車しなさい」とかではない。もう熱くなって怒鳴っている感じ。
神奈川県警だった。
三つ沢で折り返し、復路のフルスロットルを始めた頃から後を付けられていたようで、多摩川の手前でやっとこっちが気付いたものだから、逃走したと思われたらしい。
日ごろからパトカーには気を付けていたのだが、この時はこっちが振り切ってしまい、距離があったのでまったく気付かなかった。
路側帯にバイクを止めてパトカーの後席に坐ると、運転していた警察官は逮捕するといきり立っている。
助手席にいた老齢の警察官が冷静だったため逮捕されずに済み、90kmオーバーで赤切符となった。
累積点もあったので、これで免許取り消し処分となり、泣く泣く愛車を売って罰金を払うことにした。

しかし、奇跡が起こった。
警視庁の聴聞会に呼ばれて事の経緯をやり取りしていると、累積点の中によくわからない違反があると言う。
それは、芝浦の海岸通りを借り物のスクーターで走っている時に、何ていうことはないスピードオーバーでパトカーに捕まり、原付の20キロオーバーで捕まえるなんてあんまりだ、と抗議をしたら車線変更禁止にしておいてやるという事になり、原点1点の処分をされた違反記録だった。
聴聞している警察官は、この違反がなければ取り消しにはならないのだが、内容を説明しろ、と言うので、ありのままの経緯を話した。
すると、結構待たされた挙句、記録がはっきりしないとかで、この違反は取り消すと言うのだ。
なんだかよくわからないうちに、結局、90日の免許停止という処分に変更になった。
(えっ!もうバイク売っちゃったじゃないの!)
まあ、とにかく良かったということで、講習を受けに行って、一月半後には免許が戻ってきた。
でも、バイクがないっての!
400ガンマを買った中古車屋を覗くと、あるじゃないですか。
本来欲しかった白黒カラーのまあまあのやつが。
この時もどうやって買えたのか不明なのだが、月賦で2台目の400ガンマを手に入れたのだった。
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28歳の秋だった。
やはり、いいバイクだった。
いい思い出をたくさん作ってくれたが、30歳を前にしてシビックを購入すると2輪車に乗る時間が減っていき、車検が切れたのでナンバーを外して駐車場に置いておいたら、ある日姿を消してしまった。

ここで15年にわたるオートバイライフは一旦幕を閉じる。
こうして振り返ってみると、20代の間に5台もオートバイを買っていた。
これじゃ、貯金なんてできるわけがないな。(笑

そして20年が過ぎ、また風にあたりたいと思うようになったわけです。
風にあたってトコトコと、山や海に行きたいわけです。



by grid303 | 2010-05-11 14:54 | Motorcycle